太陽光発電のメンテナンスは4年に1回、その費用相場を規模別に紹介
- 2022.11.10
- 太陽光発電メンテナンスコラム

太陽光発電は、少なくとも4年に1回程度の点検が必要であるといわれています。これを多いと感じるか少ないと感じるかは人それぞれですが、太陽光発電は比較的トラブルの少ない機器なので、4年に1回のチェックで問題がなければ次の4年も安心して利用できる可能性が高いといえます。 今回はこの4年に1回のペースで行うべきメンテナンスで得られるメリットと、規模別の費用相場について解説します。
こんなにある、太陽光発電メンテナンスによって得られるメリット
適切にメンテナンスをすると、太陽光発電は本来の性能を発揮し続けてくれます。それによって得られるメリットはとても大きく、主に以下の3つのメリットが得られます。
発電量(売電収入の維持)
言うまでもなく、太陽光発電は発電してナンボ、売電してナンボです。特に全量売電や自家消費モデルの太陽光発電を導入している場合は、発電量がメリットの多寡に直結します。 太陽光パネルに当たった日光が発電のエネルギー源になるため、この日光を遮るものがあると発電量は低下します。鳥の糞や落ち葉、飛来物などが付着していると、その部分は日光が当たらないので発電量の低下を招きます。 しかも付着物を放置しているとホットスポット現象といって発熱を起こす可能性があり、パネルの故障や火災の原因にもなりかねないので、早急な対応が必要です。 定期的にパネル表面をチェックしておくとこうした問題を早期に除去できるため、発電量への影響も抑えることができます。
安全の確保
近年は自然災害によって太陽光発電システムが被害を受ける事例が続出しています。屋根に取り付けている太陽光パネルが台風によって吹き飛ばされ、近隣の家を破損させたりといった事例がありますが、これが人に当たっていたと思うとぞっとします。 太陽光パネルは架台によって固定されていますが、風雪にさらされ続けているだけに時間が経つと劣化したり緩みが生じることがあります。これも定期的な点検をして必要に応じてメンテナンスをしておけば被害を未然に防ぐことができます。
火災、重大な事故の防止
先ほどホットスポット現象について少し触れました。家庭用の太陽光発電であれば屋根をチェックして付着物の有無を確認することができますが、遠隔地に所有している太陽光発電所などの場合、こまめにチェックすることができません。 投資用の太陽光発電所を所有している方は特に、こうした付着物とそれによる火災などの事故リスクについてしっかりと留意しておく必要があります。
何もなくても4年に1回は点検を
かつて太陽光発電はメンテナンスフリーだと言われていた時期があるので、全く何もしなくても発電し続けられると思われている部分があります。実はこれは誤りで、他の家電やクルマなどと同じように太陽光発電も定期的に点検をして適切なメンテナンスをしなければすぐに劣化してしまい、本来の性能を発揮できなくなります。 性能を維持するために必要な点検の周期は、4年に1回程度といわれています。他の機器類と比べるとメンテナンスの頻度が低いので、これもメンテナンスフリーだと言われていた理由のひとつです。 何も起きていなくても4年に1回はプロによる点検が必要、と理解しておけば問題ないでしょう。
メンテナンス費用相場を規模別に解説
太陽光発電には規模別の分類があります。それぞれの規模別にどの程度のメンテナンス費用を見積もっておけばよいのか、その目安について解説します。
低圧(10kW~50kW)の相場
10kWから50kWまでの規模は低圧と呼ばれ、太陽光発電施設として小規模な部類になります。低圧の場合、メンテナンスにはおおむね年間で10万円から15万円ていどを見ておけば問題ないでしょう。
高圧(2,000kW以上)の相場
投資用の太陽光発電所で規模の大きなものになると、2,000kWを超えるものがあります。この規模になると高圧と呼ばれますが、高圧の太陽光発電所のメンテナンス費用は年間で100万円から150万円程度が相場です。低圧と比べると規模は40倍以上ですが、メンテナンス費用は10倍程度なので、コストパフォーマンスは高いといえます。
メガソーラーの相場
あまり個人レベルで投資をする規模感ではありませんが、2MWを超えるメガソーラーになると年間で300万円以上のメンテナンス費用を見ておいたほうがよいでしょう。ただしこの規模になると発電所による振れ幅が大きいため、一概に言えない部分があります。
高い!と思った方ができること
上記のメンテナンス費用相場をご覧になって、感想はいかがでしょうか。「高い!」と感じた方は、自分でできることは自分でやるというスタンスである程度の節約が可能です。 電気設備なので素人が安易に触るわけにはいきませんが、雑草や植栽などの対策をすることや、表面の付着物を可能な範囲で取り除くなどのメンテナンスはできるでしょう。 それでも手に負えない部分をプロに委託するようにすれば、費用の節約につながります。
まとめ
太陽光発電を生かすも殺すもメンテナンス次第、といえる部分があります。適切なメンテナンスで発電量の低下を防ぎ、機器の寿命を延ばせば結果としてコストパフォーマンスを高めることができるので、大切な太陽光発電システムが元気に稼働できる環境を整備してあげましょう。
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