メンテナンスを行って太陽光発電設備の不具合が見つかったら?
- 2022.10.21
- 太陽光発電メンテナンスコラム

かつて太陽光発電は、メンテナンスフリーともいわれていました。しかし近年では、太陽光発電にも、定期的なメンテナンスが必要だとされています。そして、メンテナンスをしたことで、太陽光発電設備に不具合が見つかる可能性もあるのです。この記事では、太陽光発電設備によくある不具合事例や、太陽光発電を撤去する方法をご紹介します。
太陽光発電設備に不具合が見つかることもある
太陽光発電は、寿命20~30年といわれており、故障が少ない機器ともいわれています。しかしそんな太陽光発電でも、まれに設備に不具合が見つかることがあるのです。では、太陽光発電設備に不具合が起こってしまう原因は、一体どのようなことなのでしょうか?
地震や台風などの自然災害
災害大国ともいわれている日本。とくに近年、大きな地震や大規模な台風が多く発生しています。太陽光発電設備は屋外にあることから、自然災害の被害を真正面から受けてしまうのです。地震ではパネルが破損して落下してしまう、台風ではパネルが吹き飛ばされてしまうという被害が多いです。
不良品がそのまま出荷されてしまった初期不良
製造時にすでに不良品だったにもかかわらず、そのまま出荷されてしまう初期不良は、設置後徐々に不具合が生じてきます。また、最近は太陽光発電が低価格になってきていることから、粗悪品が出回っていることも多いです。
施工会社の設置ミス
ソーラーパネル設置時に、パネルの架台が固定されていなかったり、ケーブルが断線していたりと、あってはならない設置ミスが起こることがあります。このようなトラブルを避けるため、安いという理由だけで施工会社を選ぶのではなく、太陽光発電設備の質や、アフターサービスの質をよく見たうえで施工会社を選びましょう。
鳥害
太陽光発電は、鳥による被害も受けやすいです。鳥がソーラーパネルにフンを落としたり、石を落としたりすると、発電量が下がるなどの不具合が生じます。
太陽光発電設備の故障・不具合の一例
太陽光発電設備が故障したり不具合が生じたりすると、どのようになるのでしょうか?ここで、太陽光発電設備の故障・不具合の一例をご紹介します。
ホットスポット現象の発生
太陽光パネルに不良箇所があったり、周囲の影などによって発電しない部分があったりすると、その部分だけ発熱することがあります。この現象を、ホットスポットと言います。ホットスポットは、太陽光パネルの発電効率を下げるだけでなく、火災につながってしまうこともあるものです。
汚れ
太陽光パネルに頑固な汚れが付着すると、その部分だけ太陽光がうまく当たらず、発電量が減少してしまいます。
落下物による破損
鳥が石を落とすなど、太陽光パネルに落下物があったときに場合によっては、太陽光パネル表面のガラスが破損してしまいます。
故障した太陽光発電設備は「産業廃棄物」になる
故障してしまった太陽光発電設備を処分する場合、太陽光発電は「産業廃棄物」となります。産業廃棄物でもさまざまな分類がありますが、太陽光パネルは、金属くず、ガラス・コンクリート・陶磁器くず、廃プラスチック類の混合物に分類されます。
また、太陽光発電設備は、太陽光パネルのほか、パワーコンディショナーや接続箱、変電設備があります。これらの電子機器は、粗大ゴミとして処分が可能です。産業廃棄物は、排出者であるゴミを出す人が責任をもって処理する必要があります。撤去して終わりではなく、その後の処分まできちんと行いましょう。
太陽光発電設備を撤去する方法
太陽光発電設備を撤去する場合、どのように撤去すればいいのでしょうか?ここからは、太陽光発電設備を撤去する方法を、パターン別でご紹介します。
故障・不具合・寿命で撤去する場合
太陽光発電設備の故障や不具合、寿命が来たことによって撤去をする場合、その太陽光発電設備を設置した施工会社が撤去をします。この場合、排出者が誰になるかがポイントです。太陽光発電の製品の不良が原因で撤去する場合、太陽光発電メーカーが排出者となります。それ以外の原因で撤去する場合は、施工会社または販売会社が排出者です。
家の建て替え・リフォームに伴って撤去する場合
家の建て替えやリフォームに伴って太陽光発電設備を撤去する場合、解体業者に撤去を依頼します。また、同時に処分も依頼するのが一般的でしょう。解体業者は、太陽光発電設備の撤去後に、産業廃棄物の中間処理業者に処分の依頼をすることが多いです。
事故・災害等で破損した太陽光パネルを撤去する場合
事故や自然災害の影響で太陽光パネルが破損した場合、屋根の上に載ったままであれば、不具合や故障時の撤去方法と同じで、太陽光パネルは産業廃棄物として扱われます。しかし、太陽光パネルが破損した上に地上に落下していた場合、一般廃棄物になります。
そのため、太陽光発電の所有者が排出者となり、適切に処分しなければならないのです。ただし、太陽光パネルは落下していても、電気が通っている可能性があって危険なので、撤去自体は施工会社などに相談してみましょう。
太陽光発電設備の撤去にかかる費用の相場
太陽光発電設備を撤去するには、どれくらいの費用がかかるのでしょうか?撤去に関する費用は、撤去そのものにかかる費用と、処分・運搬にかかる費用に分けられます。
撤去費用
撤去費用は、作業費・人件費・足場代に分けられます。作業費と人件費は合わせて10万円ほどです。足場代は建物の大きさによって異なり、1平方mあたり700円~1,000円が相場とされています。たとえば、30坪2階建ての一般住宅の場合、足場代は15~20万円になります。
これらをすべて合計すると、撤去費用は少なく見積もっても20万円以上かかります。30万円を超えてしまうことも珍しくありません。また、太陽光発電設備を撤去後、家をそのまま使い続けるのであれば、屋根の修復費が別途必要です。部分補修であれば数万円で済みますが、屋根全体の葺き替えをすると、100万円ほどになることもあります。
処分・運搬費用
処分・運搬費は、どこの業者に依頼するかによって異なります。相場としては、単結晶ソーラーパネル18㎏以下の場合、1枚あたり1,200円ほどです。運搬費は、設置場所から処分場までの距離で計算されます。
まとめ
太陽光発電設備の不具合の例と、撤去方法をご紹介しました。故障しにくいといわれている太陽光発電設備ですが、やはり機器なので、不具合や故障が生じることはあります。定期的なメンテナンスでいち早く不具合が故障を見つけるためにも、太陽光発電に不具合が生じたらどのような状況になるのか、事前に知っておくことが大切です。
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