太陽光発電投資では必須のサービスO&Mとは?こんなにあるメリット
- 2022.11.10
- 太陽光発電メンテナンスコラム

太陽光発電は今や、環境ビジネスの筆頭格にまで成長しました。郊外や山間部の風景に大規模な太陽光発電所を目にすることも珍しくなくなりましたし、太陽光発電に投資をするファンドなども続々と登場しているので、今や太陽光発電投資はとても身近なものになりました。 そんな太陽光発電投資を支える、O&Mというサービスがあることをご存じでしょうか。当記事では太陽光発電投資に欠かせない重要なサービス、O&Mについて解説します。
太陽光発電のO&Mサービスとは?
O&Mとはオペレーション(Operation)とメンテナンス(Maintenance)を組み合わせた言葉です。日本語での意味が通りやすいように訳すと、太陽光発電の保守や管理を行うサービスのことです。太陽光発電には家庭用と産業用(投資用)の分類がありますが、主にO&Mサービスは産業用太陽光発電向けに提供されているサービスといえます。 最大の理由は本来の計画どおりの発電量を確保しなければ計画どおりの利回りを出すことができないからです。また、家庭用の場合は自宅の屋根に設置するケースがほとんどですが、産業用太陽光発電の場合は遠隔地に発電所を所有するケースも多く、自分で管理するのが難しいという事情も関係しています。 太陽光発電は適切なメンテナンスや保守をしてこそ、本来の性能を発揮し続けます。自然の中に設置するものだけに、経年劣化や自然による影響などをしっかりと管理することが重要なのです。O&Mサービスは、そんなニーズを受けて太陽光発電の施工会社やメンテナンス会社などが提供しています。
O&Mの主なサービス内容
O&Mのサービス内容は、多岐にわたります。その役割も広いので、主な4つのサービスについて解説します。
発電量の常時監視、監視システム管理保守
太陽光発電投資で重要なのは、計画どおりの発電量が確保できるかどうかです。そこでO&Mサービスでは発電量の常時監視を行います。そして常時監視のためのシステムを管理することで、太陽光発電所に何らかの異常が起きたらすぐに検知します。 特にFIT(固定価格買取制度)では発電量を正確に記録する必要があるため、O&Mサービスの中でも最も重要なサービスです。
現場トラブルの復旧対応
太陽光発電所の現場で何かトラブルが起きた際には、O&Mサービス業者が現場に駆けつけて原因の究明と対処をします。トラブルの種類によっては発電が止まってしまったり、最悪の場合は火災の原因になることもあるため、初動対応をしてくれることには大きな意味があります。
機器類の保守、点検
O&Mの「M」に関する部分です。太陽光発電に関連する各種機器類の安定的な稼働を守るために点検やメンテナンスといった保守業務を行います。鳥害など自然界からの被害についても定期的な点検によってそれが分かれば早期対応が期待できます。
現地の用地管理
用地管理とは、太陽光発電所を設置している現場の環境整備のことです。自然界に設置する施設だけに、伸びた雑草や鳥のフンが太陽光パネルに当たる日光を遮ってしまったりといった問題を定期的に見回って解消してくれます。 太陽光パネルの一部が影になることは発電量が少し減るだけだと思われるかもしれませんが、一部だけが影になって発電をしないとホットスポット現象といって発熱する恐れがあります。発熱は放置すると太陽光パネルの損傷や火災の原因になるため、O&Mサービスではホットスポット現象の原因になるような部分はないかといったチェックも行っています。
O&Mサービスの費用相場
とても頼もしいO&Mサービスですが、依頼するとなるとどれくらいの費用が発生するのでしょうか。おおまかな目安としては、発電出力が1kWあたり5,000円程度です。これは産業用の相場で、家庭用太陽光発電でO&Mサービスを利用する場合は少し安くて1kWあたり4,000円程度と考えておけばよいでしょう。 ただしこれはあくまでも目安であり、昨今では人件費の高騰などもあって相場は上昇傾向にあります。相場から逸脱するような低価格を売りにしている業者もありますが、あまり安すぎる業者の場合は満足のいくサービス品質が得られるかどうか、しっかりと見極めてから利用するようにしてください。
O&Mサービス業者選びに役立つ3つのチェック項目
O&Mサービスを利用するのにあたって、業者選びが重要だと感じた方は多いのではないかと思います。そこで最後に、O&Mサービス業者を選ぶ際にチェックしたい3つのチェック項目について解説します。
チェック項目① 提供サービスの内容
O&Mはサービスの幅が広いので、同じようにO&Mサービスを提供している業者といってもその内容にはばらつきがあります。これからO&Mサービスを利用しようとお考えの方は、必要なサービスが揃っているかどうかをしっかりチェックしてください。 当たり前すぎることなので意外に見落としがちで、「どこも似たようなもの」と決めつけて申し込んでしまうと、希望するサービスが含まれていない、もしくはオプション的な扱いになっていて別途料金が発生した、といったことも実際にあります。
チェック項目② 過去の導入実績
O&Mサービスを利用すると、その業者とは長い付き合いになることが前提です。産業用太陽光発電の場合はFIT期間が20年あるので、それを最大活用するとなるとO&Mサービスの利用期間も20年以上に及ぶかもしれません。 それだけ長い期間にわたって利用し続けるのですから、これまでの実績はとても重要です。導入実績がどれだけあるか、その内容はどうなのかといったように、実績について聞いてみてください。即答できないようでは実績も怪しいので、選ぶべき業者ではないかもしれません。
チェック項目③ 明朗な料金体系
特に産業用太陽光発電の場合、O&Mサービスに支払う料金もコストの一部です。コストパフォーマンスを重視しなければ利回りを出すことはできないので、料金体系が明朗であるかどうかはしっかり精査してください。 「一式」といったように見積内容がざっくりとし過ぎている場合はあいまいさが残ってしまうので、見積書を比較検討する際には細かい部分にまでしっかりと見積もられているかもチェック項目になります。
まとめ
O&Mサービスは家庭用よりも産業用の分野で広く利用されているサービスです。ビジネスとして太陽光発電に参入する場合、安定的に発電量を確保して利回りを出すことは何よりも重要です。O&Mサービスはそのために誕生したようなサービスなので、投資家にとっては必須のサービスとなっています。 もちろん家庭用でも利用可能なので、点検やメンテナンスをプロに任せたい方はぜひご検討ください。
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