太陽光発電のメンテナンスは「自分でやったら安上がり」が危険な理由

太陽光発電のメンテナンスは「自分でやったら安上がり」が危険な理由

太陽光発電がメンテナンスフリーだというのは今や昔話となり、適切なメンテナンスをしてこそ本来の能力が発揮されるというのが現在の正しい認識です。正確にいえばメンテナンスフリーだと言われていた当時もメンテナンスの必要性はあったのですが、そもそも太陽光発電が普及し始めて浅かったこともあり、メンテナンスの重要性にまで関心が及んでいなかった部分があります。 今では太陽光発電とメンテナンスがセットとして認識されるようになったわけですが、その費用を何とか安く上げたいと思う人が多いのも事実です。そこで「自分でやったら安上がり」と考えるわけですが、これには多大な危険が伴います。どんな危険やデメリットがあるのか解説をした上で、メンテナンスを任せるべき業者の選び方についても解説します。

「自分でやったら安上がり」に危険かつデメリットしかない理由

太陽光発電のメンテナンスを自分でやれば安上がりであることは間違いありません。日曜大工やDIYの感覚でやれば経験値もアップしますし良いことづくめに見えますが、実は太陽光発電に限ってセルフメンテナンスには危険とデメリットしかありません。 特に留意しておきたいのが、以下の2点です。

転落事故のリスク

屋根の上に設置されている太陽光パネルをメンテナンスするためには、屋根に上る必要があります。一般的な生活をしている人が日常的に屋根に上がることは稀だと思いますので、そんな慣れないことをして転落事故につながると重大な事態につながります。命は助かったとしても大けがをしてしまうと治療費が高額になってしまい、本末転倒です。

パネルの清掃に水道水の使用は不可

もう一点、これはあまり知られていないので注意喚起しておきたいことがあります。それは、太陽光パネルの清掃に水道水を使ってはいけないという事実です。水道水に含まれている成分が水垢と反応してしまい、パネル表面の状態を悪化させてしまうことがあります。しかも屋根の上で風雪に晒されている太陽光パネルの汚れを素人が取り除こうと思っても、予想以上に頑固な汚れに驚愕してしまうかもしれません。

では、メンテナンスは誰に任せるべきなのか

それでは、太陽光パネルのメンテナンスは誰に任せるのが適切なのでしょうか。ここでは太陽光発電の施工業者が行っているメンテナンスサービスや、メンテナンスを専門的に行っている業者を想定して解説します。

対応の素早さ

対応の素早さは、すべてのサービス品質に通じる重要な部分です。何か急を要するような対応を依頼してもなかなか動いてくれないようでは、緊急性がないようなメンテナンスであってもちゃんと動いてくれるのか怪しいものです。 太陽光発電システムにはさまざまなリスクがあるため、素早く対応してくれることは何にも勝る品質です。

これまでの実績、信頼度

施工業者やメンテナンス業者には必ず、これまでの実績があるはずです。それをしっかりと公開していること、そのサービスの品質に確かな評判があることは判断材料になります。 ネットの口コミだけを見ると悪意のある口コミも混ざっているため鵜呑みにはできませんが、業者の担当者に実績について尋ねてみてしっかりと裏付けのある情報を提供できるようであれば信頼に足ると考えてよいでしょう。

資格を有している

太陽光発電の関連機器の取り扱いには専門的な知識や技術を要するため、そういったスキルを第三者が認証している資格があります。以下のような資格を有していることは、メンテナンス技術にも一定の信頼があると考えてよいと思います。

太陽光発電メンテナンス技士補

太陽光発電メンテナンス技士

PIA技術認定

PV施工技術者

これら以外にも資格がありますが、まずは上記の有資格者がいるかどうかを尋ねてみると確実でしょう。

サービスの充実度

そもそも論になりますが、メンテナンスに限らずサービスが充実していること、サービスメニューが豊富であることも判断材料になります。メンテナンスは多岐にわたるため、1社にすべてを任せるためにもサービス内容がすべてのメンテナンス業務をカバーしていることが重要です。

メンテナンスを行うべきタイミング

太陽光発電のメンテナンスには、主に3つのメンテナンス時期があります。この3つを意識しておくと、適切なメンテナンス時期を逃すことなく太陽光発電の機能維持ができます。

(すべてのケースに共通)定期的なメンテナンス

すべての太陽光発電に共通して必要なのは、定期的なメンテナンスです。業界では4年に1回程度の定期点検とメンテナンスが理想的であるとされているので、この4年という年数を目安に定期点検を依頼してみるとよいでしょう。

(環境に応じて)地域特性に合わせたメンテナンス

太陽光パネルは外に設置され、風雪に晒されます。そのため自然環境による影響を受けやすく、雪が多い地域、雨が多い地域、周辺が森林になっている場所など、設置環境によって適切なメンテナンスが異なります。 自然の力を甘く見てはいけません。放置していると太陽光パネルを雑草が突き抜けてしまった、といった事例もあるので、特に周辺が森林で植物による影響を受けやすい場合は注意してください。

(災害発生時)被災状況に応じたメンテナンス

自然災害は日本のどこにいても可能性があるため、災害時のメンテナンスはとても重要です。強風によってパネルが歪んだり向きが変わってしまうと発電量に影響が出ますし、飛来したガレキなどによって破損するとそれが火災の原因になることもあります。 自然災害が発生した場合は見た目に異常がなくても専門業者に点検を依頼するようにしましょう。

まとめ

餅は餅屋という言葉があるように、太陽光発電のメンテナンスはプロに任せるのが無難です。仮に技術や経験があっても転落事故などの危険がなくなることはないため、重大な事態を避ける意味でも信頼できるメンテナンス業者に依頼するようにしましょう。